巷を賑わす「コロナ離婚」。なんでもコロナを理由にするな!という声が聞こえてきそうですが、この「コロナ離婚」なる現象、相談案件や筆者の周りの様子を見てみると、どうやら2パターンあるようです。今回はそのうちの一つについて観察してみたいと思います。
このブログを書いている2020年8月現在、日本におけるコロナウイルスの新規感染者数は一日あたり1200人~1400人程度。みなさんは「自粛派」でしょうか。それとも「通常営業派」でしょうか。どうやら、夫婦間でこの派閥争いが行われたとき、すきま風が吹いてしまい、最悪のケースでは離婚の危機になってしまうようです。
長くなってしまったので結論から先に言うと、両者の危機意識に著しい乖離があり、そのことを理解できないと、それだけで十分離婚の原因になってしまう、ということです。なにをどのくらい怖がるかは人によって異なる、ということを前提に生活することはなかなか難しいようです。
このブログでは、どちらの意見が正しいか、ということを議論するつもりはありません。コロナウイルス対応における意見のすれ違いが、どのように結婚生活に影響を及ぼすのか、ということについて考察していきたいと思います。
さて、みなさんは、このようなデータをご覧になられたことはありますでしょうか。
「死因順位(厚生労働省)」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii09/deth
このデータに掲載されていない数字を含めて、日本で生きるうえで「なにがどのくらいリスクになるのか」ということを考察してみたいと思います。
・突然死は8万件以上。ストレスや喫煙、飲酒や運動不足が原因の一つ
・毎年2万人が自殺します。そのうち、家庭問題が理由とみられる自殺者は4000人程度
・毎年交通事故死は3000人以上。内訳で最も多いのは歩行者で1000人以上
・インフルエンザによる死者数は3000人程度
・ガンや心疾患による死者数は20~30万人以上
・水難事故死は700~800人程度
これらの数字は、重複していることも多く、また、元気な人が突然亡くなる場合と、余命わずかな入院患者の最終的な死因とは受け取り方が違うということに気を付けなければなりません。当然コロナウイルスによる死者数も同様です。
ついでにアメリカ合衆国における交通事故死等のデータも見てみましょう。
・交通事故死は毎年3万5千人以上。人口比でも日本の3倍。
・年間4万人以上が銃によって命を落とす。殺人事件の発生率は日本の25倍。
・薬物の過剰摂取による死者数7万人以上。10年で2倍に。
コロナウイルスによる死者数(2020年8月現在、日本:1000名超 アメリカ:16万超)と比較してみましょう。おそらく、「通常営業派」の主張は、次のようなものでしょう。
①現時点においては、日本におけるコロナウイルスの危険性は、アルコールやストレス、喫煙ほどではない。道を歩いて車にはねられて死亡する可能性の方が高い。
②世界を見渡しても、もっと多くの人間がもっと理不尽な理由で命を落としている。
さて、確かに、コロナウイルスが怖いのなら、歩行者による交通事故死(年間1200人程度)も怖がる必要があります。それ以上に、飲酒、喫煙、運動不足などが殺している人の方が多いはずです。にも関わらず、自粛派の人の同調圧力が行き過ぎてしまうがために、夫婦の間に溝が生まれる場合があるようです。
もっとも、通常営業派の人や経済優先派の人も、「世の中にはコロナウイルスを怖がっている人がいるんだ。」ということは前提に配慮する必要があります。ジェットコースターが怖い人もいれば、お化けが怖い人もいるのです。現時点においては宇宙人の襲来は想定していない人が多数派だと思いますが、明日宇宙人がやってきて、死因の第1位が入れ替わるかもしれません。
なにをどのくらい怖がるかは人それぞれですので、人に押し付けた瞬間に関係性にヒビが入ることは覚悟しなければなりません。仕事でたくさんの人に会い、満員電車に乗って帰宅した配偶者を病原菌扱いするような言動があれば、離婚の原因になっても自業自得でしょう。もっとも、社会があって自分があるわけですから、決められたルールは守らなければならないのはもちろんのこと、上記のデータを理由にキャバクラ通いが許されるわけではありませんのでご注意を。
ちなみに筆者は断然自粛派で、10年以上前から満員電車には乗らないのはもちろんのこと、1年分以上の食料の備蓄をして引きこもりしています(笑)決して人には押し付けず、理解も求めませんけどね。
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